いびきレーザー治療は、切らずに行えることから「手軽で効果が期待できる方法」として人気を集めています。

しかし、治療効果や持続期間、必要な通院回数、費用はクリニックによって異なります。また、保険が適用されるケースは限られており、ほとんどの場合は自由診療です。

治療を始める前に、レーザー治療の特徴や流れ、費用の考え方を理解しておくことで、自分に合ったクリニックやプランを選びやすくなります。ここでは、施術の基本知識と注意点を分かりやすく解説します。

いびきレーザー治療の特徴（切らない・ダウンタイムが短い）

いびきレーザー治療は、いびきの原因となる軟口蓋（なんこうがい）やのどの粘膜にレーザーを照射し、組織を引き締めることで振動を減らし、いびきを軽減します。

最大の特徴は「切らない施術」であること。メスを使わないため出血がほとんどなく、痛みも軽度で済みます。

施術後はすぐに日常生活に戻れるため、入院や長期の休暇が不要です。治療時間は1回20〜30分程度と短く、忙しい方でも仕事や家事の合間に受けやすいのが魅力です。

また、施術直後から軽い違和感やのどの乾燥感を感じることはありますが、多くの場合数日以内におさまります。

治療の流れ（カウンセリング〜施術〜アフターケア）

レーザー治療の流れは以下の通りです。

1. カウンセリング
   医師が症状や生活習慣、既往歴を丁寧にヒアリングし、適応の有無を確認します。
2. 診察
   口腔内やのどの状態を確認し、レーザーの照射範囲や回数を計画します。
3. 施術
   レーザーを20〜30分程度照射。麻酔は表面麻酔が使われることが多く、痛みは最小限です。
4. アフターケア説明
   施術後の注意点や次回来院日、必要な場合の生活改善アドバイスが行われます。

多くのケースで2〜3回の施術を推奨され、施術間隔は2〜4週間程度空けます。複数回行うことで効果の持続期間が長くなる傾向があります。

保険適用の有無と自由診療の位置づけ

いびきレーザー治療は、美容医療やQOL（生活の質）向上を目的とする自由診療に分類されるため、原則として健康保険は適用されません。費用は全額自己負担となり、1回あたり3〜10万円程度が相場です。

一方、睡眠時無呼吸症候群など医学的治療が必要な病気と診断された場合は、CPAP（持続陽圧呼吸療法）やマウスピース療法といった保険診療の選択肢が提示されます。この場合、自己負担額は大幅に抑えられますが、レーザー治療は対象外です。

そのため、レーザー治療を検討する場合は「保険診療では受けられないが、自分の生活スタイルに合った改善方法」と位置づけ、予算計画をしっかり立ててから始めることが大切です。

いびきレーザー治療のメリット・デメリット

いびきレーザー治療は、切らずに行える低侵襲（ていしんしゅう）な方法として注目されています。しかし、どの治療法にも長所と短所があり、自分の症状やライフスタイルに合っているかを見極めることが大切です。

ここでは、治療のメリット・デメリットを整理し、どのような人に向いているか・向かないかを具体的にまとめます。

メリット（短期間・痛みが少ない・日常生活に支障が少ない）

• 切開や縫合を行わないため、出血や強い痛みがほとんどない
• 施術時間は1回20〜30分程度で、仕事や家事の合間に受けられる
• ダウンタイムが短く、翌日から通常の生活や仕事が可能
• 麻酔は表面麻酔や軽い局所麻酔で済むことが多く、体への負担が少ない
• メスを使わないため感染や傷跡のリスクが低い

このように、忙しい方や「なるべく日常生活に支障を出したくない方」にとって大きな利点があります。

デメリット（効果持続期間・複数回必要な場合がある）

• 効果は永久ではなく、一般的に数年後に再施術が必要になることがある
• 軽〜中度には有効だが、重度のいびきや睡眠時無呼吸症候群では効果が限定的
• 多くのケースで2〜3回の施術を推奨されるため、総額費用が高くなりやすい
• 自由診療のため保険が適用されず、全額自己負担
• 施術直後に軽いのどの違和感や乾燥感が出ることがある（数日で改善）

レーザー治療は万能ではなく、症状の原因や程度によっては他の治療法が適している場合もあります。

向いている人・向かない人

向いている人

• 軽〜中度のいびきに悩んでいる
• 短期間で改善を目指したい
• ダウンタイムの少ない治療を希望している
• 手術や機器装着に抵抗がある

向かない人

• 重度の睡眠時無呼吸症候群と診断された人
• 医師から外科手術やCPAP療法を勧められたケース
• 一度の施術で完全な改善を求める人

レーザーの種類で選ぶ（例：ナイトレーズ・スノアレーズなど）

いびきレーザー治療に使用される機器には複数の種類があり、それぞれ出力や作用の深さ、治療回数、効果の持続期間が異なります。

• ナイトレーズ：粘膜をやさしく引き締めるタイプ。痛みや熱感が少なく、ダウンタイムが短い。軽〜中度のいびきに適している。
• スノアレーズ：高出力で効果を実感しやすいタイプ。やや刺激が強いが、改善効果が高いとされる。
• その他の機器（例：パルスネクスト、パルスサーミアなど）もあり、目的や症状によって適した選択肢が異なります。

カウンセリング時に、機器の特徴や適応症例、治療回数・費用の違いを詳しく確認しましょう。

通いやすさ・診療時間で選ぶ

レーザー治療は1回で終わらず、2〜3回の通院を推奨されることが多いです。施術間隔も2〜4週間程度空ける必要があるため、アクセスの良さや診療時間の長さは大きな選択基準になります。

• 自宅や職場から近い場所を選ぶと通院負担が少ない
• 土日祝日や平日夜間も診療しているとスケジュールが立てやすい
• 駐車場や駅からの距離なども確認しておくと安心

無理なく通える立地・診療時間でなければ、途中で通院をやめてしまい効果が半減する可能性があります。

費用と効果のバランスを考える

治療を選ぶ際は、総額費用だけでなく効果の持続性やアフターケアの有無も含めて比較することが大切です。

• 総額費用（1回あたりの料金 × 回数）を事前に把握する
• 再施術時の割引や保証制度があるか確認する
• 施術後の検診や経過観察が料金に含まれているかをチェック

安さだけで選ぶと、効果が短期間で薄れたりアフターケアが不十分になることがあります。費用とサービス内容のバランスを見極めましょう。